作成者:

LaszloNagy

作成日:

2006-04-23

ArchiCADバージョン:

• ArchiCAD 10

プラットフォーム:

• Mac OS X
• Windows

対象:

• 新規ユーザー
• 標準ユーザー
• 上級ユーザー
• CADマネージャー

参照番号:

• [tracking number]

AC10プロジェクトをAC9形式に保存の際失われるデータ

ArchiCAD 10では、プロジェクトを保存できる唯一の以前のバージョンはArchiCADバージョン9です。 この記事では、ArchiCAD 9形式にファイルを保存した際失われるデータについて検討します。

一般的な原則として、ArchiCAD 10に特有のデータはArchiCAD 9形式に保存の際失われます。これは、ArchiCAD 10で使用されているデータ構造が以前のバージョンに同様のものがないためです。例えば、ArchiCAD 10では、2面傾斜壁(両面が垂直でない壁)を作成できます。ArchiCAD 9では、両面が垂直の壁しか作成できません。そのため、以前のバージョンでは同じ要素が作成されることはありません。

ArchiCAD 9形式でプロジェクトを保存するには、[ファイル\名前をつけて保存]を選択して、ファイルの形式リストからArchiCAD 9プロジェクト(*.pln)を選びます。ファイル名を指定して、保存をクリックして保存します。

SaveAsAC9.png

次に、警告ダイアログが表示され、データ損失の可能性があることが示されます。

SaveAsAC9-Warning.png

以下のリストは、ArchiCAD 9に同様のデータのないArchiCAD 10データで、以前のバージョンで保存したファイルには表示されません。

1. 傾斜、2面傾斜、断面形状壁: この要素は単純な垂直壁となります(ArchiCAD 9ではこのタイプの壁はありません)。幅、長さ、高さが継承されます。

2. 傾斜、断面形状柱: 単純な垂直柱に変換されます(ArchiCAD 9ではこのタイプの柱はありません)。幅、長さ、高さが継承されます。

3. 傾斜、断面形状梁: 単純な水平梁に変換されます(ArchiCAD 9ではこのタイプの梁はありません)。幅、長さ、高さが継承されます。

4. ポリゴン壁の開口: 開口は保存されず、開口のないポリゴン壁だけが保存されます(ArchiCAD 9では、ポリゴン壁には開口を配置することができません)。

5. 壁開口の下端設定: ArchiCAD 9には同様の設定はありません。窓/ドアはArchiCAD 9で正しい垂直位置となります。

6. 壁優先度および壁、スラブ、屋根の複合構造仕上げ優先度: この設定は変換されません(ArchiCAD 9には複合構造仕上げ優先度はありません)。

7. 複数フロアにまたがる壁、柱、梁、屋根: ArchiCAD 9deha全てのフロアには表示されません。また、平面図表示および投影設定は変換されません(ArchiCAD 9にはオプションがありません)。

8. 壁のゾーンとの関連: 以下の表に従って変換されます:

ゾーンとの関連ArchiCAD 10の値

ゾーンとの関連ArchiCAD 9に変換される値

ゾーンには影響なし

なし

垂直ゾーン境界

ゾーン境界

ゾーン面積のみ削減

ゾーン面積の縮小

ゾーン体積を削減

ゾーン境界


表から分かるとおりArchiCAD 10のゾーン体積を削減オプションは、ArchiCAD 9にはありません。この設定はゾーン境界オプションに変換されます。

9. 複数フロアにまたがる壁に配置された窓/ドア: ArchiCAD 10では、下端が配置されているフロアに表示されます(例、フロア1の高さが3000mmで、フロア1から2にまたがる壁に窓の下端が3000mmより高い位置に配置されている場合、フロア1では表示されずフロア2のみに表示されます)。この要素がArchiCAD 9 PLNとして保存されると、窓/ドアはそれを含む壁に配置されます。

10. 塗りつぶし種類: プロジェクト原点および塗りつぶし原点にリンクした塗りつぶしは正しく変換されます。変形塗りつぶしはArchiCAD 9にはありません。ですから、変形塗りつぶしは塗りつぶし原点にリンクした塗りつぶしに変換されます。つまり、変形塗りつぶしの方向ベクトルのX軸方向は保持されますが、相対長さは保持されません。また、ベクトルのY軸方向および長さは保持されません。
また、線形グラデーションおよび円形グラデーション塗りつぶしはArchiCAD 9にはないので、ArchiCAD 10プロジェクトファイルのこの塗りつぶしはArchiCAD 9の無地塗りつぶしに変換されます。

11. ArchiCAD 10に配置された図面: ArchiCAD 9には平面図やその他モデルウィンドウに外部図面を配置する機能がないので(例、PDF、PMK、PLTファイル、および画像ファイル)、ArchiCAD 10のこの図面はArchiCAD 9ファイルで保存されると失われます。

12. 画像ツールで配置された画像: ArchiCAD 10の画像の最大サイズは32767x32767ピクセルです。ArchiCAD 9の画像の最大サイズは4048x4048ピクセルです。ArchiCAD 10で配置された画像がArchiCAD 9の最大サイズより大きい場合、ArchiCAD 9の最大サイズに変換されます(例、ArchiCAD 10で6144x4608ピクセルの画像は、ArchiCAD 9では4048x3036ピクセルとなります)。画像のファイル形式とプログラム上のサイズ派保持されるので、サイズを比例的に縮小するために解像度が変更されます。

13. レンダリングウィンドウサイズ: ArchiCAD 9の4048x4048ピクセルまでの制限は、レンダリングウィンドウにも当てはまります。ArchiCAD 10で設定されたレンダリングウィンドウがこれより大きい場合、大きい方の値が4048ピクセルになるように、もう一つのサイズも比例的に縮小されます。

14. ペンセット: ArchiCAD 9プロジェクトファイルは1つのペンセットしか持てません。ArchiCAD 9形式で保存する際に有効なモデルビューのペンセットが変換されます。ArchiCAD 9ではレイアウトブック関連の情報はないので、レイアウトのペンセットは保持されません。

15. 自動テキスト項目: ArchiCAD 10のほとんどの自動テキストはArchiCAD 9に保存されません(自動テキストはArchiCAD 9には無い機能です)。ただし、ArchiCAD 9のプロジェクト情報およびPlotMaker 9のブック情報は、ArchiCAD 10で利用可能な自動テキスト項目セットの一部となっているので、プロジェクト情報ダイアログの一部の項目はArchiCAD 9に保存されます。以下の表は保存される項目です:

ArchiCAD 10のプロジェクト情報ダイアログの自動テキスト項目

ArchiCAD 9のプロジェクト情報ダイアログの自動テキスト項目

プロジェクト名

プロジェクト

設計担当者

作成者

キーワード

キーワード

注記

コメント


16. 表示オプションおよびモデル表示オプション: 表示オプションおよびモデル表示オプションは可能な限り保存されます(ArchiCAD 9にないオプションは保存されません)。
ArchiCAD 9で表示オプションセットだったものはArchiCAD 10ではモデル表示オプションセットとなっており、表示オプションはこのセットには保存されます。

ArchiCAD 10の保存されたモデル表示オプションセット全ては、ArchiCAD 9の表示オプションセットとして保存されます。以下の原則が当てはまります:

組み立て要素オプションパネル:

17. ビューマップおよび発行セット:
ビューマップ: ArchiCAD 10のビューマップ全体はArchiCAD 9の「ビューマップ」という名前のビューセットに変換されます。ArchiCAD 10のビューマップの全てのフォルダおよびビューはArchiCAD 9のそのビューセットに保存されます。
発行セット: ビューから作成された発行セットの場合: 発行セット全体はArchiCAD 9形式に変換されます。冷雨後から作成された発行セットの場合: 発行セットのフォルダが作成されますが、発行項目は含まれません(この項目のソースとなるレイアウトはArchiCAD 9形式に変換する際に保存されないからです。

18. レイアウトブック: ArchiCAD 9ではレイアウトブックは保存されません(PlotMaker 9の機能となります)。

19. 作業環境設定: 作業環境設定は下位互換性がなく、プロジェクトファイルの外部に保存されているのでArchiCAD 9形式には移行されません。

20. LCFファイル: ArchiCAD 9には同様の設定がないので変換されません。ArchiCAD 9のライブラリマネージャダイアログでは、LCFファイルはロードされたライブラリリストから削除されます。

21. ライブラリ部品: デフォルトでは、ArchiCAD 10ライブラリ部品は以前のバージョンのライブラリ部品とは互換性がありません。これには、プログラムのGDL部分を使用している全てのタイプのライブラリ部品が含まれます: 窓、ドア、天窓、壁終端、オブジェクト、ランプ、他社製オブジェクト(StairMaker階段など)、ゾーンスタンプ、ドア/窓マーカー、ラベル、図面タイトル、詳細図マーカー、断面図マーカー、特性オブジェクトなど。

ただし、ArchiCAD 10プロジェクトをArchiCAD 9形式で保存する際、2つの場合があります。
最初の方法は、ArchiCAD 10でArchiCAD 9のライブラリ部品を使用することです。ArchiCAD 10でライブラリ部品を修正していなければ、AC9バージョンのものを保持します(もし修正してAC10で保存している場合、AC10バージョンのライブラリ部品となってしまい(この場合ArchiCAD 9では互換性がありません)、ArchiCAD 9プロジェクトファイルで保存してもプロジェクトファイルは正しく表示されます。
2つ目の方法は、標準のArchiCAD 10オブジェクトライブラリを使用している場合です。この場合、ArchiCAD 9でプロジェクトファイルを保存後、ArchiCAD 9で開いて、ArchiCAD 9の標準ライブラリをロードして下さい。両方のライブラリに含まれているほとんどのライブラリオブジェクトは、名前が異なっていても正しく表示されます(例、ArchiCAD 10の「W1はめ殺し10」とArchiCAD 9の「W1はめ殺し」など)。これは、オブジェクトのグローバルユニークID(GUID)が同じだからです(GUIDについては、http://ja.archicadwiki.com/GUID を参照して下さい)。ArchiCAD 9とArchiCAD 10ではライブラリオブジェクトが修正されている可能性もあるので、2つのバージョンで表現が変わっている場合もあります。

22. 一覧表(ドア/窓リスト): ArchiCAD 10の一覧表は連動一覧表アドオンに基づいています。このアドオンはArchiCAD 9との下位互換性はないので、ArchiCAD 9には一覧表は変換されません。

23. リスト設定: ArchiCAD 10のリスト設定は基本的にはArchiCAD 9と同じです。ですから、全てのリスト設定はArchiCAD 9形式に正しく保存されます。ArchiCAD 10でリスト設定を修正する場合、新しいLISTSET.TXTファイル(リスト設定の全ての定義を含むファイル)が作成され、ライブラリと共にロードされます。これは、ArchiCAD 9でもロードされ、ArchiCAD 9でも同じリスト設定を使用できます。
計算データベースは下位互換性のあるTXTファイルで構成されているのでArchiCAD 9形式で保存されます。

24. 条件と特性のリンク: 条件はLISTCRIT.TXTという名前のTXTファイルで保存されるので、要素への特性オブジェクトのリンク用にArchiCAD 10で定義された条件はArchiCAD 9形式で正しく保存されます。ただし、一致する特性オブジェクトがバージョン10オブジェクトの場合、ArchiCAD 9では使用できません。

25. ホットリンクモジュール: ArchiCAD 10で配置されたホットリンクモジュールから来るデータは変換されたArchiCAD 9プロジェクトふぁいるに保存され含まれます。このホットリンクモジュールはArchiCAD 9のホットリンクマネージャに表示されますが、ソースファイルへのリンクはありません。ただし、ホットリンクマネージャで[ファイルに保存]コマンドを使用して、含まれているホットリンクモジュールをモジュール(*.MOD)ファイルとして保存して、このファイルにホットリンクするように切り替えることができます。

26. ホットリンクモジュール設定: この設定はArchiCAD 10の作業環境の一部ではありません。ArchiCAD 9では、ホットリンクマネージャダイアログで設定できました。このため、この設定は保存されたArchiCAD 9ファイルには移行されません。

27. DXF-DWG変換設定: DXF-DWGトランスレータは下位互換性がないので、プロジェクトファイルの外部に保持され、ArchiCAD 9形式には移行できません。

28. 結合設定: ArchiCAD 9に正しく保存され、同じように使用できます。

29. 発行連絡先: ArchiCAD 9には移行されません。ただし、ArchiCAD 10の連絡先ダイアログから全ての連絡先を保存できます。その後、ArchiCAD 9でファイルを開いた際、ArchiCAD 9の発行連絡先ダイアログで連絡先ファイルを開いてこの情報を復帰することができます。

Archicad 10/プロジェクト移行/AC9形式に保存の際失われるデータ (最終更新日時 2008-09-01 13:01:30 更新者 localhost)