コンセプト
設計の段階において不可欠なのは、コンサルタントや建設業者との十分なコミュニケーションです。プロジェクトマークアップツールおよびプロジェクトレビューアは設計段階でのコミュニケーションが容易にできるように考えて作られています。
注記: マークアップ'は「レッドライン」と呼ばれる事もあります。
プロジェクトマークアップツールおよびプロジェクトレビューアがどのような働きをするかについては、リファレンスガイド[第 2巻.:p. 45-53.]で詳しく説明してあります。ここでは、このツールをプロジェクトの設計段階でどのように利用できるかについて、例を挙げながら述べたいと思います。
建築家のあなたが、大学の教室のインテリア設計をしていると想定してください。最初のドラフトができあがったので大学側のコンサルタントにも見せたいと思っています。その人はArchiCADを持ってはいないけれど、設計の進み具合を確認したいと思っています。
先ず初めに、レビューアでの発行を次のうちのどちらの方法で進めて行くかを決める必要があります:
- あなたが発行用のFTPサイトをお持ちで、コンサルタント/相手先がそのサイトにアクセス可能ならば、インターネット方式を選んでください。
- FTPサイトをお持ちでないなら、より一般的なローカル方式を選んでください。
アクセス可能なFTPサイトでマークアプツールを使う-インターネット方式
FTPサイトをお持ちで、クライアント/相手先もそれにアクセス可能な場合は、次の手順にしたがってください:
ファイルメニューからプロジェクト発行機能のダイアログを開き、[設定…]のサブダイアログで新規のセットを作成します。それに、例えば「CollegeRoom」などの名前をつけ、クライアントに見せたいクイックビューに追加します
- 発行設定のサブダイアログで発行方式を「インターネットにアップロード」にしてから、FTP接続を設定します。
FTPサイトのパス
'ログイン名(匿名ログインが可能な場合は不要)'
パスワード(匿名ログインの場合、電子メールアドレス)
注記: この図の設定は架空のものです。
- クライアント/相手先ともに、あなたと同じログイン名およびパスワードを使います。そうしない場合は、発行フォルダに対する次の権限でそのFTPサイトにログインするために、それぞれアカウントが必要になります(これも匿名可能):利用者は新規ファイルの保存[アップロード]ができ、既存のファイルの上書き[修正]ができる、という権限です。
ヒント:テストログインを使って、発行用の特定サーバー上で必要とされる権限および許可が揃っているか確認してください。その結果は次のようになるはずです。
特定の利用者に必要な権限がない場合はエラーメッセージが出ます。この場合は、そのFTPサイトの管理責任者に連絡してください。 'ヒント:ログインに必要な情報をすべて入力してから、[ブラウズ…]ボタンで発行先のフォルダを選択します。発行セット用に新規のフォルダの作成もできます(承認を得ていれば)。そうすれば、きちんと整理できます。' ヒント:相手先のログイン名で同様のことを試してみれば、相手先に対してもきちんと機能しているかどうかをあなたで確かめられます。
- 発行に際しては、FTPサイトに情報をアップロードする毎に必ず[プロジェクトレビューア環境を含む]のオプションにチェックするようにしてください。こうしておけば、相手先の人がブラウザで[更新]を押して、リストに新しく追加された発行項目を見ることができます。
注記: レビューア環境は、新しくなる毎にアップロードされたり保存されたりはしませんが、既存のものが揃っているかを確認して無いものだけをアップロード/保存します。したがって、発行機能で大量のデータを保存/アップロードする必要はありません。
- これで、すべての準備ができました。 教室のインテリアのコンセプトをFTPサイトに発行します。このサイトに設計図をアップロードしたことを先方にe-mailで知らせる方法もあります。e-mailにファイルを入れてもいいですし、ファイルをレビューするのに必要な情報[プロジェクト名、セット名、URL、セットの構成]を入れてもよいでしょう。
ヒント:連絡先をタブ付きテキストファイルとして発行機能にインポートしておけば、一つ一つの連絡先のデータを手で入力する必要がなくなります。
- 相手先では、あなたの設計をレビューしてレビューア[リファレンスガイド第2巻、p. 45-47.]にコメントを付け加えることができます。コメントを付け加えるには右の赤鉛筆をクリックします:矢印、丸、文字、ラベルなどの直感的に使えるいろいろなツールが表示されています。相手先の人がこれらを使って、あなたのコメントにコメントを付け加えるのです。下の例をご覧ください:
ヒント:マークアップのエントリーは、レビューアでの作業中は選択用ツール[左から2番目の青い矢印]で動かせます。選択したツールを赤い×印(左端のボタン)で削除できます。このようにして、相手先の人はレビューアでコメントを付け加えました。:
- * 相手先の人は、それをあなた宛てメールに添付して送信します:
- その場合、レビューアからのメール送信なら、その人は自分のメールサーバー名およびポートがわかっていることが条件となります(わからない場合はネットワーク管理者に問い合わせればわかります)。
- もしくは、レビューアから選択したDWFファイルを自分のハードディスクにいったん保存して、それを通常のメールに添付すればよいのです。
- もう1つの方法としては、コメントを付け足したものをFTPサイトにアップロードして戻すことも可能です。その場合、元のDWFファイルはそのまま残り、マークアップしたものを保有するサーバー上の新規ファイルの入ったリストに新規のフォルダが作成されます。ここの例では、新規ファイルは「教室の家具配置‐レッドライン1.dwf」という名前になります。
- その場合、レビューアからのメール送信なら、その人は自分のメールサーバー名およびポートがわかっていることが条件となります(わからない場合はネットワーク管理者に問い合わせればわかります)。
- 次にマークアップ情報をプロジェクトに結合します。先方のマークアップデータをプロジェクトに戻して結合するには、まずDWFファイルをハードディスクに保存します。
ヒント:プロジェクトごとにフォルダを分けている場合、プロジェクトのフォルダにマークアップ情報用の新規フォルダを作成して、そこにマークアップのDWFを保存します。または、FTPサイトから保存することも可能です。レビューアの該当するDWFを右クリックしてコンテクストメニューから保存を選択するか、e-mailに添付されているDWFを前述のマークアップフォルダに保存します。
- 相手先のコメントをArchiCADで見るには、このDWFファイルをインポートする必要があります。
重要注意事項: DWFをインポートする際は、インポートする場所に注意してください。まず、ArchiCAD内の適したクイックビューを選択します。それから、[ファイル]→[プロジェクトマークアップ]に進み、DWFレッドラインファイル…を開きます。該当するDWFを選んで[OK]をクリックします。
注記: 万一、間違ったプロジェクトウインドウにこのレッドラインDWF.を結合してしまった場合は、[元に戻す]を使えばプロジェクトを元の状態に戻せます。
- インポートし終えると、相手先ユーザーのマークアップエントリーがマークアップパレットに表示されます。ここで、1つ1つを確認できます。この例では、教室の中央に別のコンピュータデスクを置くという先方の意見に賛成できないとします。各学生が、必要なら自分のデスクを持ち込むほうがいいというのがあなたの意見であり、先方にそのことを伝えたいと思っています。リストから先方のマークアップエントリーを選択し、このマークアップは終了したほうがいいと思っているあなたは、そのスタイルを[修正]から[終了]に変更します。初期設定では、このエントリーは緑色になります。
ヒント:このエントリーに相手先の人にわかるようなコメントを付けたいときは、マークアップのモードを切り替え、マークアップパレット左上の赤鉛筆ボタンを押して、コメントを書き加えます。
ヒント:コメントを付け加える場合は、各行の先頭に作成者の名前を入力して、誰が何を付け加えたかが後でわかるようにしておきましょう。 ヒント:[マークアップパレットの編集…]ボタンを使えば、規定のスタイルの体裁を変更して独自の体裁を作成できます。 - 次に、教室の隅の手洗いに関する先方のエントリーを選択します。この意見には賛成するので、リストから選択してスタイルを[承認]に変更します。初期設定では、このエントリーは青緑色の表示になります(隅にある手洗いを別のものに置き換えるのを忘れないでください) 。
- 相手先のマークアップをレビューし終えたら、[大学の教室]セットを再度発行します。それをメールに添付して先方へ送り、再び目を通してもらいます。先方では、元ののDWFをもう一度レビューしてコメントを付け加えて送り返すなどして、設計のすべての部分が承認されるまでやりとりを繰り返します。相手先がアップロードしたレッドラインDWFはすべてFTPサイトのレッドラインフォルダに、末尾に番号をつけて保存されます。
注記: いったんプロジェクトを再発行すると、レビューアは古いマークアップを見つけて変更することができません。相手先はレビューアで新しいマークアップエントリーを付け足すことしかできず、古いマークアップの変更はできません。'
- 仮に、先方があなたの考えを承認して、賛成の趣旨のコメントをDWFファイルに付けたとしましょう。先方が、新しいマークアップをアップロードすると、末尾の番号が1つ大きくなった新規DWFファイル(「教室の家具配置‐レッドライン2.dwf」)が、サーバーのレッドラインフォルダに作成されます。
- この2番目のDWFをいったんArchiCADに再インポートすると、新規のエントリーが作成されますが、古いエントリーもそのまま残ります。
ヒント:あなたと相手先双方が、マークアップエントリーを終了/承認することで合意したら、ArchiCADのマークアップパレットを使って、削除しておきましょう。不要な情報を残しておくと設計図が複雑になります。
注記: 関係者間で独自のルールを決め、オフィス内でのマークアップ情報の流れを管理してもかまいません。
メールでマークアップのデータを相手先に送る
この方法は、FTPに慣れておらずSMTPサーバー名が分からないユーザーに向いています。
発行先はローカルフォルダになりますので、フォルダをまず作成します。[プロジェクトレビューアを含む]のオプションにチェックしてから、作成したフォルダに発行します(必ず、発行のたびにこのオプションにチェックしてください)。[実際のフォルダ構成の作成]を選択します。
ここの例では、前のセットのコピーを作成して、「大学の教室のコピー」と呼びます。発行の準備ができたら、圧縮用ソフト(StuffIt や WinZIPなど)でこのフォルダを圧縮し、圧縮ファイルをメールに添付して相手先へ送ります。
相手先では、それを解凍してそのファイル[発行したセットの名前].html、ここの例では、大学の教室.htmlコピー、をダブルクリックするだけです。解凍したフォルダにはこのファイルしかありませんから、容易に見つけられます。ファイルをダブルクリックすると、相手先が使うレビューア環境が開きます。(あなたのほうのブラウザが要求してきたときは、もちろんTrust Graphisoft R&Dを選択してください)
- 相手先ではレッドラインの作業をさらに進めます。作業がいったん終わったら、そのDWFを保存する必要があります。レビューアの[保存]ボタンをクリックして元のフォルダを手動で見つけ、マークアップレッドライン用のフォルダを作成してから、ファイルを保存します。
ヒント:相手先も保存したDWFのファイル名それぞれの末尾に番号(あるいは自身の名前やデータ)をつけるようにしておくと、設計の変更の過程を辿るときに便利です。
- その後修正したDWFファイルをメールに添付して送るだけです。
- ArchiCADでそのマークアップ情報の入ったDWFを開くときは、レッドラインファイルをインポートする前に適したクイックビューを選択してください。
注記: 必ずしもインポートの前にクイックビューを選択しなくても、該当レッドラインDWFのインポートより前に同じプロジェクトウインドウが開いていれば十分です。ただ、クイックビューを使ったほうが全体の仕事がスムーズになります。'
- これ以外のエントリーの扱いについては、前述のインターネット方式と同様に行います。
作成者: |
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作成日: |
2002-10-13 |
• ArchiCAD 7.0 |
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プラットフォーム: |
• Mac OS X |
対象: |
• 新規ユーザー |
参照: |
• [tracking number] |
